グッドキャリアプロジェクトグッドキャリアプロジェクト

本サイトは厚生労働省の表彰事業「グッドキャリア企業アワード」を通じて、企業や働く方に自律的なキャリア形成について発信するためのサイトです。

大賞

【評価のポイント】

個人の能力の見える化や能力評価の仕組みを構築するなど
企業ビジョンに連動した人財育成


  • 代表取締役社長
    石川 昌弘

    経営者からのメッセージ

    「人と技術を大切にする」理念のもと、挑戦する風土作りと人財育成に注力してきました。大賞を受賞し、大変名誉であり嬉しく思います。今後も、社員が自己啓発・対話・協働することでキャリアアップし、高い目標をチームで達成する人財成熟に積極的に取り組みます。
  • 企業概要

    ●事業概要:ステンレス鋼・耐熱鋼・チタニウム・その他各種金属及び合金を主材料とする製品の製造、加工ならびに販売
    ●業種:製缶板金業
    ●所在地:新潟県上越市
    ●従業員数:105人(男性94人/女性11人、うち非正規雇用9人)
    ●平均年齢:40.8歳
    ●創業年:1947年
  • キャリア形成支援担当者紹介

    ●キャリア形成支援の取組をして良かったこと
    自己実現や他者貢献により幸せ感ややりがいが向上しポジティブマインドが醸成され、自律的に問題を解決するようになったこと。
    ●キャリア形成支援の取組で苦労したこと
    「力量評価システム」や「力量」認定制度など当社独自の仕組みを構築したこと。

    総務部
    総務グループ長
    川野 朋生
    担当年数:4年

    総務部
    総務グループ部員
    平井 和博
    担当年数:7年

具体的な3つの取組

取組をはじめたきっかけとこれまでの経緯

当社は2012年当時、大赤字会社でした。経営体質改善に取り組み、2014年度にはV字回復しました。しかし、社員のやりがいや顧客満足度が向上した訳ではありませんでした。社員自らの幸せ実現、顧客・地域への貢献意識を持って未来への成長戦略を作り「仕事にやりがいを感じる会社」にすべく「顧客・地域に貢献する働きやすく生産性の高い会社」作りを始めました。この改革の原動力は人財であると考えキャリア支援に取り組んでいます。

  • 「力量評価教育訓練計画」を作成し定期的に評価を確認

    「顧客・地域に貢献する働きやすく生産性の高い会社」実現のために、人づくり改革「玉ねぎストーリー」を展開しています。①人・製品・顧客と地域がかがやく(かがやきサイクル)②人財成長(力量評価システム・ファロス認定)③価値実現(ハイパーグッドジョブ活動)④挑戦の成果を認める社内表彰(AKB大賞・イノベーション大賞)を、玉ねぎを模してストーリー化して切磋琢磨しています。

    力量評価システムでは毎年1回、上司と部下が対話を行い、個人毎の「力量評価教育訓練計画」を作成します。前年度の力量成長実績を踏まえて、当年度について「個人の強み・弱み」「資格」「階層別教育」「実作業における力量」毎に①何時②どの様な方法で③力量レベルをどのレベルに向上させるのかという目標を作ります。毎年2回、社長・役員・所属長が参加する「教育訓練・力量評価確認会議」で個人毎に力量成長実績を確認・評価しています。

  • 「力量」の独自認定制度を設け職業能力評価を実施

    技能系社員は「ファロス認定制度」、スタッフ系社員は「業務の達人認定制度」があり各々認定要件とレベルを全社員に公表しています。

    「ファロス」認定要件は、「日本トップクラスの専門技能を生かして完成度の高い仕事ができる、自律的に創意工夫(イノベーション)を行う、愛情をもって若手人財を指導する」の3条件です。「業務の達人」認定要件は、「コンセプチュアルスキルとヒューマンスキルを習得し完成度の高い仕事ができる、他部門支援や部下育成に指導力を発揮できる」の3条件です。

    ファロス・業務の達人は毎年上司と社員が対話を通じて現状のレベルを確認し、当年度到達目標と到達する為の具体的取組を明確にしています。

  • 所定就業時間の1割強を教育・改善活動に充当

    当社は所定就業時間の20%を有給休暇及び教育・改善活動に使うのが会社の基本原則です。有給休暇20日取得のために8%(13時間/月・人)、教育・改善活動のために12%(20時間/月・人)活用します。

    資格取得のための試験・講習会費用や専門的な知識を身につけるための費用は全額会社負担です。難しい資格取得や外部表彰を受けた場合は賞与の割り増しや賞金を授与しています。

    自己啓発のために、多目的休暇として年間2日の有給休暇取得を推奨しています。また、年間1日~2日については勤務免除(有給)を行い、旅費・宿泊費等を全額会社が負担し、全社員が視野を広げる研修を行っています(例:世界文化遺産、発明記念館等のミュージアム見学)。

取組の効果について

  • ポジティブマインドの醸成で自律的に問題解決

    個人では、自己実現や他者貢献により幸せ感ややりがいが向上しポジティブマインドが醸成されました。組織では、「共同体感覚(顧客・地域や職場への貢献意識)」を共有して近未来の夢を実現するために相互理解・サポートする職場風土が醸成されました。社員アンケートでは、ほぼ100%の社員が「仕事のやる気」「改善挑戦意欲」「チームワーク」が「ある」となっています。

  • 前述の取組❶の効果について
    積極的に「挑戦し成長」する主体性の向上

    上司と部下が対話によってキャリア形成に関する計画を立案し、能力開発に計画的に取り組み、定期的に振り返る事を進めてから、積極的に「挑戦し成長」するという主体性が高まりました。改善提案数は2014年度4件/人・年から2018年度26件/人・年の6.5倍になりました。

    グッドパフォーマンスを発揮した職場や個人がお手本になって全社に横展開する「尖兵制度(モデリング)」を実施しています。職場・個人の自律的価値向上活動が競うようにレベルアップするようになりました。力量評価システム、ファロス認定制度により、社員の成長意欲が高まり、現代の名工、にいがたの名工、文部科学大臣創意工夫功労者賞を受賞しました。

  • 前述の取組❷の効果について
    人財育成ビジョンで目標意識と挑戦マインドが向上

    ファロス・ダブルスターやトリプルスターなど身近にお手本となる人がいることで若手・中堅社員の成長意欲が高まりました。若手社員と中堅社員との能力を測定分析(比較)し改善することで、若手(教わる側)の能力向上スピードが速まりました。一方教える側も、暗黙知の形式知化などを通じて自己啓発を行い、教える側の職務遂行能力も向上しました。

    若手はわからない事はどんどん聞いて臆せずに挑戦する、上司はそれを許容・推奨する風土に変わりました。

  • 前述の取組❸の効果について
    計画的・着実な人財育成と改善・イノベーション力向上

    教育・改善活動のために所定就業時間の12%(20時間/月・人)を活用することで、全職場が毎月計画的に着実に「力量評価教育訓練計画」および「ハイパーグッドジョブ活動」を実行しています。その結果、年度目標である個人毎の業務スキルを計画的に習得しています。個人業務力量の向上と多能化推進による総合能率向上、プロセスを変革する改善・イノベーション力向上は収益改善と労働生産性向上に劇的に寄与しています。

今後の課題と展望

  • ファンタスティックに挑戦する企業風土作り

    「顧客・地域に貢献する働きやすく生産性の高い会社」を理想の姿レベルで実現するために、ハイテクニッチダントツ企業としてファンタスティック(通常の想定の範囲を超える目標)に挑戦する風土作りとそれを実現する原動力となるキャリア支援を積極的に推進します。すなわち、社員が自己啓発・対話・協働することでキャリアアップし、高付加価値製品を作り、高い目標をチームで達成する人財成熟に取り組みます。

社員の声

  • Q1 自身のキャリアを考えるきっかけ(制度・出来事など)とは?
  • Q2 その後、取り組まれたことや起こった変化とは?
  • Q3 築いたスキルを今後どう活かしていくか、または将来ありたい姿とは?

  • 管理部
    管理部長
    T.T.

    外部講師による管理職・管理補佐職対象の自立支援教育を受講し、リーダーシップ・コミュニケーション等多くのことを学びました。「私のキャリアビジョン・プラン」を作成したことが自分のキャリアについて深く考えるきっかけになりました。

    上司と対話で決めたキァリア形成について計画通り実行した結果、「業務の達人認定制度」ではシングルスター認定を頂きました。また、「論理的思考能力」、「問題発見・解決力」、「構想・企画力」等のスキルアップの必要性を感じ、自ら進んで日本生産性本部の経営品質アセッサー資格を取得しました。上司の支援もあり、コツコツ経験値を積み上げている中で、飛躍的に成長したと実感しています。

    「プレゼンテーション力」、「情報収集力」等の更なるスキルアップを図り、部下への指導・育成を通じて職場全体の成長につなげていきたいです。また、アセッサー資格取得者として、社内のキャリア支援を含めて会社の改革取組全般について貢献します。


  • 管理部
    環境設備グループ
    H.Y.

    私は専門知識のレベルを更に向上させたいとの強い思いから、33才の時に当社に転職しました。ファロス認定制度でダブルスターに認定されました。上司との対話においてトリプルスターを目指すには、部下指導力が弱点と認識しました。この対話をきっかけに課題克服に向けて将来のキャリアビジョンを強く意識するようになりました。

    管理補佐職になり、当社が行っている管理職や管理補佐職を対象とした自立支援教育で積極的に必要なスキルの習得に取り組んでいます。自立支援教育にて習得したリーダーシップ力やコミュニケーション力を部下指導に活用していく中で、自身の指導力が徐々に向上している事や部下に対しての育成効果が表れている事を実感しています。

    引続き専門知識に磨きをかけ会社に貢献します。また、KJ法やNM法等のアイデア発想法を学習・活用し、エジソンのように革新的アイデアを創出したいです。


  • 機器部
    機器工場
    S.M.

    入社から3年目で設計・見積部門から「電解銅箔製造用チタン製電着ドラム」の製造管理の部門へ異動となり、電着ドラムの技術管理に携わるようになりました。技術打合せのため顧客を初めて訪問した際、知識や経験で裏付けされた交渉力が求められることを実感したことが、自身のキャリアを考えるきっかけとなりました。

    専門的な知識を習得することを会社が支援する制度を活用して、当社の高い技術力をプレゼンし、顧客と直接一人で対話できるようになりました。そうした経験の積み重ねにより、外部折衝力や情報収集力が身に付き自身の成長を実感できています。今では上司から重要案件を任せて頂けるようになりました。

    製造管理の部門への異動は今思えば大きな転機だったと感じています。前に所属していた設計部門での経験も活かし、多角的な知見をもって製造管理・外部交渉が出来る電着ドラムのプロを目指していきたいと考えています。現在IoTの活用について猛勉強中です。IoTの導入により、高品質製品づくりと総合生産効率の向上を図ります。


  • 総務部
    経理グループ
    Y.I.

    私は営業マンを志望し入社しました。大学時代に古地図の研究をしていた私の配属先は専門的に学習したことがない経理部門でした。全く知識のない経理業務でしたが、「力量評価教育訓練計画」で毎年目標(理想の姿)を決めて努力しました。年々出来る業務が増えた喜び、成長の実感がキャリアを考えるきっかけになりました。

    総務部オフィスの最新化に挑戦しました。情報収集力やベンチマークを活用して、働きやすく生産性の高いオフィスイノベーションに取り組みました。対話を積み重ね様々な意見から最適な案を選択し、思い描いた通りのオフィスが完成した際は、やりがいと達成感に満たされました。

    「力量評価システム」による継続的な学習によって、自身の力量を磨き、組織の一員として新しい価値を提供していきたいと考えています。「私のキャリアビジョン・プラン」を実行し、常に現状を疑い、「メタルテクノで、世界をもっと楽しく快適に」すべく自律的にチャレンジします。

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