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学生と企業のミスマッチ・新入社員の早期離職を防ぐキャリア形成支援のあり方とは?

株式会社マイナビ 社長室HRリサーチ部 部長 栗田卓也 委員


就職活動短期化により、高まるミスマッチのリスク

2017年の卒業対象者より実施された新卒採用の短期化の影響により、短期間の就職活動で入社を決めた学生と企業とのミスマッチのリスクが高まっている。そういった時流の中、新卒採用でのよりよいマッチングが課題となっている企業は多い。入社後3年未満での離職は、企業にとって大きな損失であることはいうまでもなく、新卒採用、若手社員のキャリア形成支援は企業の永続的な成長の重要なキーとなる。
今回のコラムでは、長年、企業の新卒採用や新入社員の育成の現場に携わってきた経験から、ミスマッチを防ぐ新卒採用、新入社員のキャリア形成支援について提言をする。

新卒採用のファーストステップは求める人材像の明確化

「優秀な学生を採りたい」という声を企業の採用担当者からよく聞く。しかし、一概に「優秀な学生」といっても、企業によってその人物像は全く異なることを念頭に置く必要がある。新卒採用のファーストステップとして、企業が行うべきことは、自社の業務内容、社風などを考慮した求める人材像の明確化だ。
ミスマッチの少ない新卒採用のために必要なものは、そういった求める人材像の明確化を含む、企業から学生への正しい情報提供に尽きる。新卒採用の広報の場において、プラスの面だけでなく、マイナス面の情報も届けることが必要となる。残業はどれほどあるのか、休みは取れるのかといった就業環境、どういった社員が働いているのか、どんなスキルが身に付くのか、女性にとっては、子どもを育てながら働き続けることができる環境が整っているのかも重要な判断基準となる。

インターンシップによって、ミスマッチは防止できる

大学3年生の3月に採用活動にまつわる企業の広報活動が開始となり、6月に選考活動が開始となった。こうした新卒採用の短期化により、企業のことを十分に理解できないまま入社を決める学生が増加している。短期間で内定を得る学生が増える中、ミスマッチを防ぐ施策として推奨しているのが「インターンシップ」の実施だ。インターンシップは、企業の社風や業務内容を深く理解できる数少ない機会となる。入社後の働くイメージを持ってもらうことで、ミスマッチの防止につながる。
大学1年生から3年生を対象としたインターンシップの実施は、学生に企業のことを理解してもらうだけではなく、学生のキャリア形成支援にも大きな意義を持つ。アルバイト以外に就業経験のない学生たちが、自分の進路や将来のキャリアについて考える機会となり、その後の職業選択における重要な羅針盤となる。
学生にとって有意義なキャリア形成の機会となるよう、プログラム内容について、具体的な就業体験を含むこと、学生にフィードバックが用意されていることを企業は心がけてほしい。また、自分の志望が明確に決まっている学生、志望業界が決まっていない学生、自分が社会の中でどう役に立つのか試したい学生など、それぞれの目的に応じて参加ができるよう、数日の短期のプログラムと、1週間から1ヶ月の長期のプログラム両方を準備することが望ましい。

新入社員を全面サポートし、育てる メンター制度

インターンシップを経て入社した新入社員でも、新社会人としてのギャップにぶつかる場面は誰にでもある。新卒からの3年間は、一人前になるための準備期間。社会人としての土台を作り上げるこの期間に、企業がどのようなキャリア形成支援をするかによって、その後の社員の成長に大きな差を生むことは明らかだ。
離職率が比較的低い企業が新入社員に対して実施している制度として、「メンター制度」がある。年齢の近い先輩社員が新入社員のサポート役を担う人材育成制度のひとつである。常に新入社員に寄り添い、目標設定のアドバイス、結果に対するフィードバックなどを行い、新入社員のあらゆる相談にも応じる。先輩社員のフォローによって、一人ひとりの能力や適性に合わせた適切な目標設定や動機付け、目標達成のためのアプローチの設定・実行が可能になる。先輩社員が目標達成へと導くことで、新入社員の自己肯定感は高まり、成功体験が積み重なることで、その後のキャリア形成にもプラスの影響を与える。

若手育成の企業文化を根付かせるために

新卒採用を続ける企業の強みは、毎年新入社員が入社することで、常に後輩を指導する立場が必要になり、若手育成の文化が社内に根付き、その企業の持つ技術や思いが継承され続けることだ。新入社員をサポートする体制が整い、若手を育成しようという姿勢が企業DNAとして根付いている組織は、離職率も低く抑えられる傾向にある。そういった文化形成のために欠かせないものは、経営トップの社員育成に関わる明確な理念だ。メッセージを経営トップ自らが継続的に社内へ発信することで、社内に育成文化が形成され、制度というかたちだけではない、社員の成長を促すキャリア形成支援が可能となる。
そういった企業文化のもとで実施される「インターンシップ」や「メンター制度」は、学生と企業のミスマッチ、新入社員の早期離職の防止に大きな効力を発揮する。企業がインターンシップの実施や企業から学生への情報提供を通して、自らキャリアを選び、方向性を模索する機会を与えることで、自律的なキャリア形成支援について言及することは、学生と企業のミスマッチを防ぐ効果があり、引いては、10年、20年、50年先の企業の発展へと結びついていく。